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D&E Air Conditioning 社はどのようにデータを連携し、予測的メンテナンスを推進したのか

特殊な請負業者

作成者: ローレン・ギンズバーグ

2021 年 2 月 24 日

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D&E Air Conditioning 社(D&E)はメルボルン、パース、シドニー、ブリスベン、アデレード、ジロングに事務所を構える、オーストラリアに拠点を置く施工機械サービス会社です。500 人以上の従業員を擁するオーストラリア最大の機械請負会社の 1 つである D&E は、製薬、商業、ヘルスケア、工業などの分野で、機械や空調設備の設計、製造、サービス メンテナンスにかかわる事業を展開しています。

オートデスクの長年のユーザである D&E 社は、顧客にエンドツーエンドの体験を提供するために、テクノロジーを技術スタックに統合する方法を継続的に模索しています。D&E 社は、サービス メンテナンス プログラムをデジタル化し、予測的メンテナンスに移行することで、サービス能力を向上させたいと考えていました。このステップを踏むことで、3D とマッピング機能を活用し、コンピュータによるメンテナンス システムを展開し、優れたサービスを提供しながら、競合他社との差別化をさらに進めることができるのです。

D&E 社Air Conditioning 社のサービス アカウント マネージャである Scott Huisman 氏は、「我々の設計、エンジニアリング、設置業務では長年にわたってテクノロジーを使用して持続可能な機械システムや空調システムを開発しています」と述べます。また、同氏は「同様の機能をシステムのメンテナンス部門に採用してデータを最適化することで、ビジネス プロセスを改善し、クライアントに予測的サービスを提供することを望んでいました」とも言います。

設備メンテナンスにおける接続されたデータの価値

予測分析は、チームによるアセット検査、設備修理、フィールド サービス エンジニアリング活動に関する意思決定の最適化を支援することで、プロセスを改善します。D&E 社は、予測分析により、予期しないダウンタイムを軽減するとともに、不要なサービス エリアに集中するのではなく、メンテナンスが必要な設備にリソースを割り当てることで顧客に付加価値のあるサービスを提供できるようになるのです。

D&E Air Conditioning 社のエネルギー パフォーマンス マネージャである Nicholas Eynon 氏は、「予測的メンテナンスの目的は、データを使ってアセットのメンテナンス サポートが必要な時期を予測し、不必要な設備点検を排除して、時間と資源の節約を図ることです」と述べています。同氏は「予測的メンテナンスでは、技術者がいつ現場に行く必要があるのかを把握することで、内部リソース管理を改善し、事後対応から事前対応に移行することができます」とも言います。

Scott Huisman 氏は、予測的メンテナンスの最大の推進要因の 1 つは、ダウンタイムとコストを最小限に抑えながら、サービスに対する価値を創造することで顧客との関係を改善することであると付け加えています。

BIM 360 によるデータの可視化の事例

予測的メンテナンスの目標を達成するための第一歩は、モバイル コンピュータによるメンテナンス ソリューションを採用することにありました。D&E 社は、エンドユーザのための、シンプルでありながら強力で洗練されたレポート機能を有する、バランスのとれた、使いやすくカスタマイズ可能なソリューションを探していました。そして、それがAutodesk Construction Cloud™ 内の BIM 360 Ops により実現したのです。

デジタル化されたプロセスにより、D&E 社が以前から行っていた設備メンテナンスの非効率性が解消されました。以前は、技術者が紙ベースのプロセスによりさまざまな規模のジョブのメンテナンスを記録しており、これが不正確なドキュメントやドキュメントの紛失につながっていました。

「このプロセスでは、技術者がドキュメントを手動で複写する必要があるため、非常に多くの手間がかかっていました。現場ごとに設備のレベルが異なるため、 45 から 50 枚のドキュメントを更新、印刷、ファイリングし、現場で保存する必要がありました」と Huisman 氏は言います。

新たなソリューションを手にしたことによる次のステップは、現場全体で一貫したデータを収集するためのプロセスを標準化し、予測機能を実現することでした。BIM 360 Ops のデジタル形式を標準化するため、D&E 社は、個々のメンテナンス仕様に加え、業界やオーストラリア国内におけるコンプライアンス標準を参照し、彼らが行う 3 種類のメンテナンス (コンプライアンス、予防、事後対応) のための全く新しいタスク処理を作成しました。

BIM 360 Ops により D&E 社は現在、ドキュメントを編成し、メンテナンスの状況に関して顧客とコミュニケーションをとることが簡単にできます。自動レポート機能により、保守ログをリアルタイムで同期できるため、瞬時に情報にアクセスして顧客に配信できます。

BIM 360 Ops による初期効果の獲得

D&E 社は当初、3 つのテスト サイトで BIM 360 Ops を試験的に導入する予定でした。しかし、技術者から使いやすさと迅速な建物への導入のしやすさについて圧倒的な支持があり、チームは 7 ヵ月で 20 拠点にこのソリューションを展開することを決めました。

「技術者はコメントを入れたり、写真を撮ったりと、ツールをフルに活用して効率よく作業しています」と Eynon 氏は言います。また、同氏は「プラットフォームの直感性は素晴らしく、より効率的なレポートの作成を可能とする一貫性を我々のチーム全体に生み出してくれます。」とも述べています。

BIM 360 Ops を採用する前は、D&E 社が携わっている建設に関するコンプライアンスの記録を監査者から求められたときに、チームが古い紙ベースのドキュメントを掘り起こす必要がありました。D&E 社は今は、ドキュメントを素早く効率的に検索して見つけ出すことができます。これにより、チームは、監査者とデジタル リンクを共有し、時間を節約し、頭痛の種を減らすことができるようになりました。以前は数時間かかっていたものが、今では 10 分で終わるようになりました。

「BIM 360 Ops は、すべての情報を一挙に得ることのできるワンストップ ショップです」と Huisman 氏は言います。「コミュニケーションの行き来を最小限に抑え、メンテナンスと技術者の生産性に関する最新情報を全員に提供することで、社内管理上の不確実性を排除します。」

BIM 360 Ops を標準化したことで、D&E 社は業界と規制の要件を満たすために、整備している機械に関するより質の高い情報を提供できるようになりました。

Eynon 氏は、D&E 社が意思決定の最適化と現場での効率化を促進するためのデータにアクセスできるようになった、と付け加えます。

設計のオペレーションへのさらなる連携

D&E 社は BIM 360 Ops をサービス提供用として使用していますが、その目標は、資産の長期的な管理のために設計から運用に至るまでデータを接続するためのシームレスなプロセスも作成することにあります。Eynon 氏は、D&E 社のビジョンが、引き渡し初日からのメンテナンス体制の構築であったとも述べています。

「3D モデル データにアクセスすることで、弊社の技術者は施設内のメンテナンスが必要な設備の位置を正確に把握することができます」と Eynon 氏は言います。また、同氏は「D&E 社では、契約の大半について、引き渡し後から 12 ヵ月間にわたって建物をメンテナンスします。過去のプロジェクト データがあれば、新しい設備を把握することで、すぐにメンテナンス作業に取りかかることができます。大規模な現場でこのようなデータがなければ、作業に余分な時間がかかる可能性もあるのです」とも述べています。

Huisman 氏は、時間の節約に加えて、データの接続化により、より良い顧客関係を確立することができると付け加えています。

ローレン・ギンズバーグ

オートデスクの建設ソリューション 建設・施工マーケティング マネージャ