投稿者: JOHN POWER
2021年2月8日
予測分析は、現在のデータと過去のデータを利用して将来を予測するもので、時間を節約し、業界効率を上げ、サービスの機能を向上させます(Sumit Oberoi著)
これは、配管やエアコンを含む業界全体に対して、大きな影響を及ぼす可能性があります。オートデスクのクライアントである D&E Air Conditioning(D&E)社は、オーストラリア最大の建設の機械向けサービス会社の1社であり、メルボルン、パース、シドニー、ブリスベン、アデレード、ジロングに事業所を構えています。500人以上の従業員を擁する D&Eの業務は、製薬、商業、ヘルスケア、工業等の業界での機械やエアコンの設計、生産、保守サービスに至るまで多岐に渡ります。
D&E社は、保守サービス プログラムをデジタル化し、予測保守に移行してサービス機能を改善することを目指していました。オートデスクを長年にわたって使用しているD&E社は、テクノロジーを統合して顧客のエンドツーエンドのエクスペリエンスを改善するとともに、自社を競合他社から差別化する方法を絶え間なく模索しています。この目的を達成するために、D&E社は、3Dとマッピング技術を活用して、コンピュータ化された保守システムを導入しました。
D&E社のサービス アカウント マネージャであるScott Huisman氏は、設計、エンジニアリング、設置業務で、長年にわたってテクノロジーを活用し、サスティナブルな機械やエアコン システムを開発していました。
「同様の機能をシステム保守部門に採用してデータを最適化することで、ビジネス プロセスを改善し、クライアントに予測サービスを提供することを望んでいました」とHuisman氏は語ります。
そのゴールは、データを利用し、アセットの保守サポートが、いつ必要になるかを予測することで、不要な設備のチェックを排除し、時間とリソースを節約することでした。予測保守により、D&E社は、いつ技術者を現場に行くべきかを把握することで社内リソース管理を改善でき、さらに受動的な事後対応型から能動的に移行できました。
D&E社のチームは、予測インサイトを、アセットの点検、設備の修理、現場のサービス エンジニアリング活動の意思決定の最適化に役立てました。この結果、D&E社は、予期しないダウンタイムを軽減し、不要なサービス エリアにではなく、保守が必要な設備にリソースをより多く割り当てることで、顧客に価値あるサービスを提供できました。
D&E社が予測保守の目標を達成するための最初のステップは、モバイルコンピュータ化された保守ソリューションの採用でした。D&E社は、エンドユーザにとってシンプルさと強力かつ洗練されたレポート機能のバランスがとれた、使いやすく、カスタマイズ可能なソリューションを探していました。D&E社は、Autodesk Construction Cloud™内の BIM 360 Opsを採用し、この目標を達成しました。D&E社は、機器と設備保守において、以前のプロセスで経験したような非効率さを解消しました。BIM 360を使用する以前には、技術者が紙ベースのプロセスで様々な規模のジョブ全体にわたる保守を記録しており、これが不正確さ、あるいはドキュメントの紛失につながっていました。
Huisman氏は、このプロセスの場合、技術者がドキュメントを手作業で書き写す必要があり、労働集約型だったと振りかえります。現場ごとに機器のレベルが異なるため、45~50枚のドキュメントの更新、印刷、ファイリングが必要なこともありました。
BIM 360 Opsソリューションにより、D&E社は、現場全体にわたるデータを継続的に収集するプロセスを標準化し、予測機能に移行できました。D&E社は現在、ドキュメントを簡単に編成し、保守の状態を顧客とコミュニケーションをとることができます。自動レポート機能により、保守ログをリアルタイムで同期できるため、瞬時に情報にアクセスして顧客に配信できます。
BIM 360 Opsを採用する前は、D&E社が携わっていた建設のコンプライアンスの記録を監査者から求められたとき、チームは古い紙ベースのドキュメントから探し出す必要がありました。今や、D&E社はドキュメントを素早く効率的に検索して見つけ出すことができます。これにより、チームは、監査者とデジタル リンクを共有し、時間を節約し、頭痛の種を減らすことができるようになりました。以前は数時間かかっていたものが、今では10分間で終わるようになりました。
接続されたデータの価値はこれまで以上に高まっています。データを価値あるものにするには、データが中央からアクセス可能であり、リアルタイムで更新され、プロジェクト、チーム、組織全体にわたって接続されている必要があります。データをプライベートで安全な場所と接続し、企業はインサイトを獲得し、顧客にとって優れたソリューションを作成し、業務効率を高めることができます。
D&E社は BIM 360 Opsをサービス提供用として利用していますが、そのゴールは、資産の長期的な管理のために設計から運用に至るまでデータを接続するためのシームレスなプロセスを作成することにもあります。D&E 社のビジョンは、建物の引き渡しの初日から保守体制を構築することなのです。
3Dモデルのデータにアクセスできる D&E社の技術者は、保守する必要がある施設内のどこに機器があるか、完全な精度でピンポイントに特定できるようになります。D&E社では、契約の大半については、引き渡し後から 12ヵ月間にわたって建物を保守します。過去のプロジェクト データを持つD&E社は、新しい施設を把握することで保守作業を即時に開始することが容易にできるようになります。大規模な現場でこのようなデータがなければ、作業に時間がかかる可能性があるでしょう。
時間を節約する以外にも、接続されたデータにより、より正確な共有ドキュメントを利用でき、結果としてD&E社は顧客とより良好な関係を築くことができます。
Sumit Oberoi 著、業界戦略マネージャ、オートデスク建設ソリューション
業界戦略マネージャとしてオートデスクに入社する前は、Sumit Oberoi氏は、Air Conditioning and Mechanical Contractors’ Association(AMCA) のナショナル ディレクター兼ビクトリア州のエグゼクティブ ディレクターを勤めていました。Sumit 氏は、2010 年の BIM-MEPAUS Initiative の発足時からその開発に貢献していました。Sumit は、業界の熱烈な支持者で、業界を支援することで建設のイノベーションを介して品質の高いプロジェクトを実現できると信じています。